Trend Micro ウイルスバスター Corp.の評価



2011年に作成した記事であるため、情報が古くなっています。
現在は機能が異なる可能性があるため、詳細はメーカーサイトをご覧ください。
 



Trend Micro ウイルスバスター Corp.の構成方法

まずは、Trend Micro ウイルスバスター Corp.の構成パターンを紹介する。ざっくり言うと、スマートスキャン機能を使うかどうかによって、構成が異なる。スマートスキャンとは、最新のパターンをすべてクライアントPCに配信せず、危険性の判断ができない場合のみ最新パターンを保持しているスキャンサーバに問い合わせる仕組みである。この仕組みよりクライアントPCや回線の負荷が軽くなる。

構成 その1
スマートスキャン機能を使わない場合

説明
管理サーバを1台立てる。クライアントは、この管理サーバを通して設定やパターンの配信を受ける。

尚、管理サーバ(セキュリティサーバ)はWebサーバを必要とする。IISかApacheか選べるが、Apacheは他のソフトでも用いられることが多く競合する恐れがあるため、できればIISを使ったほうが無難である。

構成 その2
スマートスキャン機能を使う場合

説明
最新のウイルスバスターCorp.は「スマートスキャン」というスキャン方法を用いることができる。

このスマートスキャンとは従来型のスキャンとはやや異なる。 クライアントPCがスキャンを実行し、危険性の判断ができない場合に限り、最新のパターンが保存されているスマートスキャンサーバに問い合わせるのである。この方法によってクライアントPC上には最低限の定義ファイル(パターンファイル)のみ保存しておけばよくなり、動作が軽くなる。またスキャンサーバは高い頻度で最新の定義ファイルがアップデートされるので、ゼロデイアタックのリスクも減る。

ただし、スマートスキャンサーバを別途用意しておかなくてはならないのが欠点である。トレンドマイクロ社にもスマートスキャンサーバが用意されているが、自社内に1台のスマートスキャンサーバを用意することが推奨されている。自社内のスマートスキャンサーバにアクセスできないようなモバイルパソコンのみ、トレンドマイクロ社のスマートスキャンサーバを使用することになる。

また、クライアントPCの台数が多く負荷が高いことが予想される場合、ローカルスマートスキャンサーバは別のサーバ(ハード)へインストールすることもできる。




クライアントPCへのインストール方法の評価

企業の場合、クライアントPCがたくさんあるためインストール作業に時間がかかる。インストールのしやすさは、セキュリティソフトを評価する上で重要な項目だ。

Trend Micro ウイルスバスター Corp.のインストールは比較的簡単だ。 (1)管理サーバのインストール、(2)クライアントのインストール、この2つの手順で終わる。(1)については、セットアップCDの実行ファイルを実行し、簡単なウィザードに従えば、戸惑うことなくインストールできる。尚、サーバ側で必要なポートは次の通りだ。ファイアウォールのポートを事前に開けておくとよいだろう。

  Webサーバのポート:8080 (デフォルト値)
  SSL用ポート:4343 (デフォルト値)
  スマートスキャンサーバSSLポート:4345(デフォルト値)

(2)のTrend Micro ウイルスバスター Corp.クライアント)のインストール方法については、主に次の4種類の方法がある。

インストール方法 その1
Webインストールページからのインストール

説明
ブラウザを開き、
https://< ウイルスバスター Corp. サーバ名>:4343/officescan
などを入力し、「インストール」をクリックする。

条件
インストールユーザに管理者権限が必要

メリット
ユーザに操作してもらう場合は、管理者は何もしなくて良いので楽。

デメリット
ユーザに操作してもらう必要がある。あるいは管理者が全台インストールしてまわる必要がある。
多くのクライアントPCが一斉にインストールすると、回線の負荷が大きい

インストール方法 その2
ログオンスクリプトを利用したインストール

説明
ActiveDirectory内のユーザのログオンスクリプトを利用してインストールする。設定は、ウィザードを起動し、ActiveDirectoryサーバを選択後、ユーザを右図のように選択するだけである。スクリプトを自分で記述したりしなくても良いので楽である。

条件
Windows 7/Vista/2008には自動的にインストールできない。ユーザがサーバの共有フォルダへアクセスし、実行ファイルを右クリックしてから「管理者として実行」を選択する必要がある。

メリット
ActiveDirectory環境であればインストール失敗の可能性が低い

デメリット
ユーザがログオンしないとインストールが始まらないため、業務時間外にインストールする場合は、全台をログインしてまわらなければならない。業務時間中に行う場合は、ユーザがログインする朝一にトラフィックが集中するので注意。

インストール方法 その3
Client Packagerを利用したインストール

説明
セットアップファイルを自己解凍型ファイルに圧縮し、この圧縮ファイルをCD-ROM などの従来のメディアを使用してユーザに配布する。

条件
CDで配布するなら特にない。
ActiveDirectoryなどを使うなら、それによる。

メリット
ActiveDirectoryのグループポリシーを利用して、パッケージを配信したり、共有フォルダにパッケージを置いて実行してもらったりと応用がきく。

デメリット
ActiveDirectory等、ネットワーク経由で配信する場合は、回線の負荷が高い。

インストール方法 その4
(Webコンソールからの)プッシュインストール

説明
まず、設定を組み込んだパッケージを作成する
次に、このパッケージを管理サーバからクライアントPCへリモートインストールする

条件
Windows XP Home、Windows Vista Home Basic およびHome
Premium Editionsへのインストールはできない。
クライアントPCはドメインに参加している
クライアントPCがVistaの場合、次の作業が必要
 ・Windowsファイアウォールを無効化
 ・クライアントPCのRemote Registry Serviceを開始
 ・ビルトイン管理者アカウントを有効にしパスワードを設定

メリット
夜間などにクライアント(実機)を操作しなくても一発でインストールを完了できる。

デメリット
条件が多く、事前準備は大変。




管理画面の評価

Trend Micro ウイルスバスター Corp.の管理画面は、画面展開サクサク進んで操作しやすいのだが、なぜか見にくい。というか項目を探しにくい。また、項目だけ見ると何のことかよくわからないのもある。たとえば「セキュリティコンプライアンス」や、「コンピュータ位置」など何を表示してくれるのか見てみないと想像がつきにくい。




ウイルス対策性能・価格の評価

Trend Micro ウイルスバスター Corp.のウイルス(マルウェア)対策性能はそれほど良くない。性能や価格についての詳細は、トップページの「企業向けセキュリティソフトの比較表」をご覧いただきたい。

1点気をつけなくてはならいのが、ウイルスバスターCorp.には「スパイウェア対策機能」がない。ウイルスバスターCorp.を購入する場合は、スパイウェア対策もできるWeb Security Serviceをつけたほうが良いだろう。

また、パーソナルファイアウォール機能もない。パーソナルファイアウォール機能を使いたい場合は、Windows標準のファイアウォールを有効にするか、Trend Micro Client/ Server Suite Premiumを購入する必要がある。

その他にも気になったことも1点あった。今回「スマートスキャンサーバ」をインストールしてあったのだが、クライアントをインストール後、”クライアント”の検索方法の設定が、スマートスキャンではなく、従来型になっていた。なぜインストール直後は従来型になっているのかがよく分からないが、スマートスキャンに設定を変えた方が良いだろう。




デバイス制御の評価

下記のようにデバイスを制御できる。この設定はWeb管理コンソール上から行う。




アプリケーション実行制御の評価

承認するアプリケーション(プログラム)、ブロックするアプリケーション(プログラム)を登録することができる。ただしフルパスで書かなくてはいけないため、事前に調べる必要がある。



最後に

Trend Micro ウイルスバスター Corp.は、スパイウェア対策とパーソナルファイアウォールの機能がない。スパイウェア対策もしたいなら(というかすべきです)Web Security Serviceも購入する必要がある。パーソナルファイアウォール機能も搭載したいなら、上位バージョンのTrend Micro Client/ Server Suite Premiumを購入する必要がある。どうも、Trend Micro Client/ Server Suite Premiumを買わせたいようにしか見えないのが気になる。

小規模会社は、Trend Micro ビジネスセキュリティか、他社ソフトのほうが無難だろう。中~大企業は、Trend Micro ウイルスバスター Corp.にWeb Security Serviceを付けるか、Trend Micro Client/ Server Suite Premiumを購入すると良い。




トレンドマイクロのサイト

Trend Micro ウイルスバスター Corp.



免責

ここに記載された情報の正確さに責任は持てませんのでご了承下さい。最終的には体験版を試すか、またはメーカーに問い合わせください。